空みたこと花

冬と乾季はじめました

釜石・箱崎町にて、とりとめもなく。

※ちょうど十年前のきょう書いた文章です。クローズドの場へ挙げていたものをタイトル含めそのまま転載します。 もしネット環境があれば、いろいろ書くこともできるかな。と思っていつ壊れてもいいノートPCを持参したけれど、案外そういう気分にはならないも…

Dog saves.

なにもなくて、すこしおどろく。けさは。 晴れきってもいない。脳漿がうけている、後方への引力に、想念が巻き込まれていく。ことばがからめとられていく、のを感覚する。 様態としての個にとりつく縞も、ここでは遠のく。ただ、そういうものとして作動する…

大晦日の心地

ラジオと昭和天皇といえば、あのひび割れた玉音放送が流れた日の抜けるような青空とか、煤けた国民服を着た老人やもんぺを履いた婦人の正座して肩を震わせる後ろ姿を脳裡に想い浮かべるひとは、きっと今なお多いだろう。言うまでもなくこのときその記憶の有…

3月11日

時間の浪費をしてしまったなと感じるときは、浪費ではない価値ある時間の過ごしかたが何かしら前提されていて、けれどこの何かしらは時と場合と人により具体像がまるで異なる。ではこの自分の場合いまそれは何なのかといって、関係性の編み目由来の皺曲をド…

おくれる

15歳前後のころアトピーがひどくなって行った京橋の東洋医の「きみは気詰まりなんだよ」というひと言を、いまでもよくおもいだす。首筋のリンパのあたりで気が塞がる、みたいに指先をぼくの首筋へ当て老医師は説明してくれた。ひどい患部にはステロイド剤塗…

運慶、鑿、円成

しからば物を作るとは、如何なることであるか。物を作るとは、物と物の結合を変ずることでなければならない。大工が物を作ると云うのは、物の性質にしたがって、物と物との結合を変ずること、即ち形を変ずることでなければならない。 (西田幾多郎 「絶対矛…

時さへ

保育園児をしていたころ、7と11の英語表現を覚えたのはひまわり保育園へ通う途上にあったセブンイレブンが、文字通り朝7時に開き夜11時に閉まっていたからだった。たぶんコンビニがコンビニと呼ばれ出したそのころ店頭ではまだマントゥを売ってなかったし、…

蠱毒

雨上がり、夜更け。誰かの口笛。ゴミ収集車の作業音。路面に吸い殻。暗がりに猫。 孤独はなかなかの贅沢品で、死んだらもう味わえない。それを言うなら何でもそうだろという種のツッコミは大抵正論だけれど寒々しく、ひとはいつどの瞬間にも部分的には死んで…

心臓

心臓は律動する。人間はあらかじめ音楽を奏でる生き物で、演奏をやめるときぼくらは人でない何かになる。鼓動、脈動、息を吸い、息を吐く。音楽を聴くとはだから、まず耳を澄ませ、沈黙を聴くことから始まる。眠り、起き、歩き、止まる。器官の律動、呼吸の…

どうでもよくない。

男の腕時計の魔力、みたいな広告記事が目に飛び込んできて、機械フェチ心性はあるのでほぉほぉと眺めていたら、タイ上司と日本上司が腕時計談義をしている数年前の光景がよみがえってきて、ああそうなのかと納得した。当時その光景をみてなんかダセェと思っ…

すわるたつ

『実践!! 瞑想の学校』 刊行記念講演会 藤田一照師×プラユキ・ナラテボー師 対談 @神保町101ビル 昨春、始発で葉山のご自宅まで出かけ参加した一照師(曹洞宗)の坐禅会は、坐るまでの過程こそ本番とでもいうような独特のもので、日常感覚の異化という点で他…

疾走と牢獄

“Herbert”というドイツ映画を観た。バンコク都心のシネコンで開催された、ドイツ映画祭2017の企画上映。バンコクのゲーテ・インスティトゥートは、東京のそれに比べても存在感がある。なにしろこの街にはゲーテ通りなるものが存在し、といきなり脱線するのは…

朝だな

行けるところまで行ってみよう、と地味に思い立つpherimであった。 って。 日本とタイの往還に明け暮れています。この2年ほど。 それより前の2年は基本、タイ生活メインだったんだけど。 というより、東京とバンコクの往復だな。初めの2年はあまり日本へ戻ら…

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